2022/02/13 00:44
計算問題と解説ページ2(全23問) |
問8、水素(H2)、炭素(C)、プロパン(C3H8)の燃焼熱がそれぞれ286 kJ/mol、394 kJ/mol、2219 kJ/molである場合、 |
プロパンの生成熱を求めよ。それぞれが完全燃焼する場合の化学反応式は、下記の通りである。 |
2H2 + O2 → 2H2O |
C + O2 → CO2 |
C3H8 + 5O2 → 3CO2 + 4H2O |
1、公式に当てはめる。 反応熱 = (生成物の生成熱の和) - (反応物の生成熱の和) |
・「反応熱」は、プロパンの燃焼熱「2219kJ/mol」 |
・「生成物の生成熱の和」は、プロパンの化学反応式の「3CO2 + 4H2O」に炭素と水素の燃焼熱を代入して、 |
「3CO2 + 4H2O」は、「3 x 394 + 4 x 286」になります。 |
(3molの炭素は3を掛け、4molの水素は4を掛ける) |
・「反応物の生成熱の和」は、「C3H8 + 0」なので、ここは初めからプロパン「C3H8」を当てはめると覚える。 |
よって式は、「2219kJ/mol = 3 x 394 + 4 x 286 - C3H8」となります。 |
これはミスを誘う問題! |
ここで注意ですが、問題文には水素(H2)、炭素(C)、プロパン(C3H8)の順なので、 |
286 kJ/mol、394 kJ/mol、2219 kJ/molも水素、炭素、プロパンの順ですが、 |
問題に記載されたプロパンの化学反応式の「3CO2 + 4H2O」は炭素→水素の並びです。 |
この問題は「3 x ■ + 4 x ■」に燃焼熱を代入する時に、間違えやすく逆に並べてあります。 |
286 kJ/mol、394 kJ/molの順で拾ってしまうと、 |
「3 x 286 + 4 x 394」になり、全く違う答えになってしまいます! |
2、式を解いていく。 |
2219 = 3 x 394 + 4 x 286 - C3H8 |
2219 = 1182 + 1144 - X |
2219 = 2326 - X |
X = 2326 - 2219 …………右辺-Xを左辺に移項して符号が+になり、2219も右辺に移動してーになる。 |
X = 107 |
プロパンの生成熱は1molあたり107kJ/mol となります。 |
問9、10℃の水200gに、4,200Jの熱量を与えると何℃になるか。水の比熱は4.2J/(g・K)とする。 |
(1)11℃ (2)15℃ (3)20℃ (4)50℃ (5)100℃ |
問題から、1gの水を1℃上げるために必要な熱量は4.2Jであることがわかる。 |
200gの水を1℃上げるために必要な熱量は、4.2J×200g=840Jとなる。 |
4,200Jを200gの水に与えると、4,200J÷840J=5℃上げることができる。 |
(200gの水を5℃上げるために必要な熱量が4200J) |
もともとの温度は10℃だったので、10℃+5℃=15℃となる。 |
答えは(2) |
問10、200gの水に10gの食塩を溶かした場合、溶液の濃度は何%になるか。 |
(1)4.00% (2)4.55% (3)4.76% (4)5.00% (5)5.26% |
200gの水に10gの食塩なので、全ての合計が210gになる。 |
210gを百分率で1%分にすると、210を100で割って2.1gである。 |
10g ÷ 2.1g = 4.761% 答えは(3) |
当ブログ筆者は細かい割り算は苦手なので、試験では選択肢の答えから掛け算で導き出しました。 |
2.1%に問題の選択肢(1)〜(5)を順に掛けていき、10gに近い数字になればそれが答えだと分かります。 |
3番の「4.76」をかけてみると、、2.1 x 4.76 = 9.996g になり、3番が最も近い事が分かる。 |
問11、ある気体が427℃、1気圧のもとで、2ℓの場合の質量が9.4gであった。この気体の分子量はいくらか。 |
ある気体の気圧と体積での分子量nを求める |
分子量mol = {質量g ÷ (気圧 x 体積㍑)} x 0.0821 x (温度+273) ※ {}の中を先に計算し、次も左から順に解く! |
分子量n = {9.4g ÷ (1 x 2ℓ)} ×0.0821 × (427℃ + 273) |
分子量n = (4.7 ×0.0821) × 700K |
分子量n = 0.38587 x 700 |
分子量n = 270.109 |
よって四捨五入して270が答え。 |
小数点の付いた掛け算は小数点を動かして計算し、動かした数だけ最後に戻します。 |
「4.7 ×0.0821」の計算は、小数点を「4.7」から47にして1回、「0.0821」を821にして4回動かし、合計5回動かします。 |
「47 x 821 = 38587」にしたら、小数点を動かした数だけ戻し、「0.38587」とします。 |
問12、3気圧で20℃のプロパン3molの体積はいくらか。 |
ある気体の気圧での体積Vを求める |
公式、「体積 = (分子量mol ÷ 気圧) x 0.0821 x (温度+273)」 |
公式に割り当てる |
体積はまだ分からないのでVとし、分子量は「3mol」、気圧は「3気圧」、温度は「20℃」 |
V = (3 ÷ 3) x 0.0821 x (20 + 273) |
V = 1 x 0.0821 x 293 |
V = 0.0821 x 293 ← (821 x 293) = 240553 と計算して小数点を後から4つ目の間に入れればいい。 |
V = 24.0553 |
24ℓが正解。 |
●問11と問12の公式は、通常は下の表の公式1を使用しますが |
当ブログの解説は、「計算が苦手な人向けに用意した解説」としています。 |
この問題の正しい解き方は、 |
公式1を覚え、解いていく過程で右辺や左辺の値や符号をいじって、 |
公式2の形にして問題を解くのが通常の数学の解き方です。 |
ですが、数学の基本である左辺右辺の移行を当日行うのは、数学を忘れた大人には絶望的困難なので、 |
途中で公式2になるのであれば公式2から問題を解くべき事だとし、公式2で解く事を勧めています。 |
よって「気体の状態方程式」は、公式2を暗記すれば算数の知識でも解く事が出来ます。 |
問11の公式、ある気体の気圧と体積での分子量nを求める |
公式1、「PV = m(g) ÷ nRT」 |
公式2、「n = {m ÷ (P x V)} x RT」 (下の公式を暗記する!) |
分子量mol = {質量g ÷ (気圧 x 体積㍑)} x 0.0821 x (温度+273) |
問12の公式、ある気体の気圧での体積Vを求める |
公式1、「PV = nRT」 |
公式2、「V = (n ÷ P) x RT」 (下の公式を暗記する!) |
体積ℓ = (分子量mol ÷ 気圧) x 0.0821 x (温度+273) |
温度をT、圧力をP、体積をV(リットル)、気体定数をR(0.0821)、質量をm(g)、分子量をnとしています。←暗記不要 |
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